私は、ダラムサラの町から約10キロ山を登ったところにあるダラムコット(Dharamkot)村に住んでいます。
『地球の歩き方』には隣村のバグス(Bhagsu)村は記載されているようですが、ダラムコット村は載っていないようです。

この地域には、ガッディ(Gaddi)族と呼ばれるヒマラヤ地域の伝統的な遊牧民が住んでおり、かつては羊やヤギを放牧しながら、季節ごとに移動生活をしていたと聞いています。
現在では、観光シーズンに訪れる外国人を相手に、ゲストハウスやレストランを営むなど、彼らの生活様式は定住型に変わり、かなり様変わりしています。
そのため、この村にはおいしいコーヒーが飲めるカフェや、ピザ窯を備えたレストランなどがあり、私にとって非常に住みやすい場所です。

村では、冠婚葬祭などの特別な行事の際に提供されるダム(Dham)料理が絶品です。
結婚式や赤ちゃんの1歳の誕生日、法事などがあると、ダム料理を作る専門の料理人であるボティ(Botis)たちが数名集まり、各家庭の外にあるキッチンで大鍋を使って料理を作ります。
結婚式の前には村の男たちが森に入り、あらかじめ目を付けておいた倒木を斧で割って薪を集め、その薪を使って調理をします。

地面には10〜20メートルほどの長い布が何本か敷かれ、来賓はその上に並んで座ります。
葉で作られた大きな皿が配られ、まずお米が出され、その後5種類、多い時には10種類ほどの、地元産の豆や野菜を使ったカレーが振る舞われます。
ガッディ族の作るカレーはあまり辛くないため、私の娘でも食べられるくらいです(とはいえ、日本の中辛くらいの辛さですが!)。

もしダラムコット村で結婚式を見かけたら、声をかけてみてください。
村の人々は喜んで歓迎してくれると思います。

他のインドの地域ではなかなか味わえない、美味しいダム料理を楽しむことができるかもしれませんよ!