Prologue
オーブンから出てきた焼きたてのパンの香り
つられてくる人達
食べてみて思わず笑顔
この感動を分かち合いたくて
最初は誰もが初心者で
なんとなくやってみたい
理由や目的なんてあとから分かるもの
そう思います。
好奇心だけで十分
はじめてみません?
インドで生まれた、小さなパン教室
2007年、私はインドに移り住みました。
当時は、まだ開発が進み始めたばかりの新しい街で、
「グルガオン」と言っても伝わらず、「デリーの近郊の街です」と説明していました。
インフラは整っておらず、生活に欠かせない水や電気でさえ不安定な毎日。
もちろん、パン作りができるような環境とはほど遠いものでした。
ただ、そんな暮らしだったからこそ知恵や物事をプラスに変える考え方が育まれていきました。
「どうしたら、この状況でも美味しいパンを安定して焼けるだろう?」
そんな前向きな問いは、パン作りの本質を理解する事にも繋がりました。
日本でパン講師として働いた経験もあり、ほどなくしてデリーの日本食材店へのパンの卸しが始まりました。
そして2008年、出産を機に小さなパン教室をスタート。
最初のクラスは2人。インドで日本人が習い事の事業をするのは初めてだったようで、あっという間に広がっていきました。
グルガオンに作ったスタジオは2020年に閉じましたが、同時にオンラインレッスンを開始しました。
“es(エス)”は心理学用語で、「本能・欲望・想像力」を意味します。
「こんなのがあったらいいな」という好奇心から、まっすぐに形にしてきた教室です。
年々その思いは、参加してくださる皆さまがより安心でき、心から幸せを感じられる教室でありたいと願うようになりました。
その思いが皆さまに確かに伝わるよう、これからも精進してまいります。
es bread baking studio
吉岡 佐知子
(2005年〜日本でパン講師/2008年〜インドでパン講師)